福沢諭吉の写真に横向きで髷がはっきり写っている写真があります。
およそ、これが当時の髷の実際だろうと思います。
他の幕末の写真を見ても、現代の時代劇などで見かける髷のかつらに比べ、髷尻は小さく刷毛先は細く、もみあげは剃り落としている事が多いです。
髷のかつらは、演劇、舞台用として誇張した部分が多いわけで、実際に髷を結ってみると、当時の写真に納得がいくことが多いのです。
今回は福沢諭吉の写真を見ていて、気がついたことがあります。
髷尻から刷毛先にかけては毛の束というより、もはや硬そうな蝋燭の「棒」に見えます。
※鬢付油の主材料と和蝋燭の材料はともに木蝋です。
このことから、
髷尻から刷毛先のみ かなり鬢付油の量を多くしているのだろう
と推察しました。
まとまったきれいな刷毛先にするには...
私の毛はくせ毛でして、元々の状態で抜けた髪を放置すると勝手に直径一寸くらいに巻きます。
このくせ毛を補正するために直毛に補正するこてを購入しました。
サロニアという会社の二千五百円程度で購入できるものです。
何度か試してみた結果・・・
あらかじめこての温度を百六十度程度で直毛に補正しておき、全体に鬢付油をなじませて束ね結い。
福沢諭吉さんの写真から推察したように髷尻から刷毛先になる部分にさらに鬢付油を付け、こての温度を百度ほどにしてなじませる。(温度を高くすると鬢付油が気化してしまう)
元結を使って髷を結い上げたあと、刷毛先をこてで温めて整える。
冷えると鬢付油が固まって形が維持できる。
先日、 所澤神明社へ参拝 時の写真から私の髷部分を拡大したものですが、髷尻から刷毛先は今までの三倍くらいの鬢付油を使用していて比較的まとまりが良く維持ができていました。
(少々「おくれ毛」で乱れがあります)
しかし、福沢諭吉さんは鬢付油をもっと多く使っているのではないかと思いました。
蝋燭のような棒にはなってませんので(笑)
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尚、「ちょんまげ」は江戸時代まで髪が少ない年輩の方の髷を揶揄した言葉。
また、明治時代には髷を結っている人に対して揶揄した言葉です。
時代考証された時代劇で「ちょんまげ」という台詞は出てきません。
地毛で髷を結う人に対して失礼な言葉です。
そのため、当ブログの本文では「髷」または髷の名称(総髪・本多髷・くわい髷など)を使用し「ちょんまげ」は使わないようにしています。
※但し、お相撲さんは普段の髷を業界として「ちょんまげ」と言うようです。
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