平成二十八年四月二十五日、アルプス平から遠見尾根、五竜山荘を目指して入山しました。
つづき・・・
小遠見山をあとにし、中遠見、大遠見を超えてゆきますが、痩せ尾根部分では所々で夏道が出ており、中途半端な積雪により、シュルンドやクレバス状のひび割れがあり、それらが隠れている場合もありますし、前登者が付けた古いトレースは、雪解けにより危険な状態になっていることもあるため、慎重にルートファインディングしながら進みました。
西遠見山を超えると、いよいよ白岳と西遠見との鞍部。私が滑落した場所です。
滑落した場所に近づき、見えてくると恐怖心(トラウマ)で心拍数が上がり苦しくなりましたが、雪があるおかげで西側(五竜岳側)を通り、落ちた谷を覗くことなく通過できたのは精神的に助かりました。
滑落現場を通過中に「グェーー!」雷鳥さんの声!
現場を通過しきった場所には冬毛の雷鳥さん(♀)がいました。
偶然だろうとはいえ、なぜここに・・・?
私が滑落事故現場を通過するのを見守ってくれているような…。
不思議な因縁を感じてしまいます。
雷鳥が「神の鳥」と言われることに納得してしまうような出来事でした。
滑落現場を通過し、雷鳥さんに出会えたことで気分的に落ち着き、白岳、五竜山荘へ目を向けます。
白岳へは頂上へ向かうのではなく、シラダケ沢側を五竜山荘へ向かってのトラバースルートを登ってゆきます。
つづく・・・
撮影地:遠見尾根、白岳~西遠見山鞍部(長野県北安曇郡白馬村神城)
撮影日:平成二十八年四月二十五日